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リバースエンジニアリング

リバースエンジニアリング × Acsim で実現する "攻め" のモダナイゼーション

Tomoka Baba
リバースエンジニアリング × Acsim で実現する "攻め" のモダナイゼーション
#リバースエンジニアリング#モダナイゼーション#レガシーシステム

はじめに

基幹システムの老朽化、クラウド移行、保守人材の不足。加えて、設計書がない、あっても書いた人はもうおらずメンテナンスもされていないため実態と乖離している――。

背景や理由はさまざまですが、既存システムの構造を把握し直す「リバースエンジニアリング」へのニーズは根強く存在してきました。

私たちROUTE06は、この領域にAIを適用することで、人手をかけずに低コストで、従来よりも短期間・広範囲での現行システム解析を実現するリバースエンジニアリングサービスを提供しています。

本記事では、リバースエンジニアリングが求められる背景、また従来の手法が抱える課題と、AIによって何が変わるのかについて紐解きます。
そして、ROUTE06が提供する価値、AI要件定義支援プラットフォーム「Acsim」との組み合わせによる "攻め" のモダナイゼーション構想について紹介します。

求められるリバースエンジニアリング、その一方で

なぜリバースエンジニアリングが求められるのか

リバースエンジニアリングが求められる背景には、現場と経営の両面があります。

たとえば、法改正対応で基幹システムの改修が必要になった。
影響範囲を調べようにも、設計書は10年前のまま。
分かる人に聞こうにも、当時の担当者はもういない。
結局、コードを1つずつ読み解きながら手探りで進めることになり、本来3ヶ月で終わるはずの改修に1年以上かかってしまう。

リプレイスの場面でも同じです。
現行システムの機能を棚卸ししようとしたら、誰も全体像を把握していない。
「で、何がどれだけあるの?」という問いに答えられないまま、見積もりはバッファ頼みになり、提案の精度が上がらない。

つまり、リバースエンジニアリングは 保守運用のための資料整備だけでなく、経営判断の土台を整える取り組みでもある のです。

求められつつも立ちはだかる壁

現行システムの解析は必要だと分かっていても、いざ実行しようとするといくつもの壁にぶつかります。

最大の壁は、リバースエンジニアリングそのものが重いことです。
人がコードを読み、画面を触り、DBを追い、帳票やバッチや通知を棚卸しし、機能単位で設計書に落とす。
これは途方もなく時間がかかる作業です。
そのため必要性は高くても「いつかやろう」のまま先送りされがちです。

しかし先送りしている間にも、状況は悪化していきます。
当時のことを知る担当者は異動・退職し、よりどころになっていたドキュメントも更新されないまま実態と乖離していく。
そうした信頼できないドキュメントが増えるほど、リバースエンジニアリングすべき範囲は広がり、難易度も上がっていきます。

AIによってもたらされた革新

AIがもたらした変化

AIの登場でリバースエンジニアリングは大きく変わりました。

単純に作業速度が向上し、人が1つずつコードを読み解いていた作業を圧倒的なスピードでこなせるようになりました。
また、確実に同じ基準で処理できるため、人手だと担当者によって出ていた粒度や観点のバラつきも抑えられます。

何より大きいのは、扱える量が変わったことです。
従来の人手による解析は、時間・コストの制約から「重要そうな部分だけ」「優先度が高いところだけ」に絞らざるを得ませんでした。
AIはこの制約を取り払い、システム全体を対象にした解析を現実的にしました。

「精度が不安」への答え

一方で、AI活用を検討する際、「AIが出した設計書は信じられるのか?」「間違っていたら危ないのでは?」という懸念は当然あります。

その懸念に対し、どうすれば精度を上げられるか真摯に向き合いつつも、AIによるリバースエンジニアリングの価値は、100%正確な設計書を出すことではなく、網羅的な叩き台を最短で出し、意思決定を前に進めることにこそあると考えています。

必要なのは、完璧な設計書よりも、人が議論し、前に進めることのできるガイドです。
ガイドがあれば、まずはそれを頼りに物事を動かすことができます。
進めていく過程でおかしな点があれば、その都度修正し、補足すればいい。
動きながらメンテナンスするというアプローチが取れるようになります。

結果として速度は桁違いになりますし、何より マイナスをゼロに戻す作業ではなく、プラスに転換するための作業にリソースを集中できる。
これこそがAIを活用する真の価値なのではないでしょうか。

ROUTE06だからこその価値

ここまでで、AIによるリバースエンジニアリングの価値は整理しました。
では "なぜROUTE06なのか" 。

ありがたいことに、すでにご利用いただいている企業様からも高い評価をいただいており、その背景には以下のようなポイントがあると考えています。

私たちが目指しているのは 「網羅的な成果物 → 次の一手が見える状態 → 人がレビューし現場が動ける状態」 という一連の流れを作ることです。

1. 設計書を "網羅的かつ大量に" 出力

ROUTE06のリバースエンジニアリングは、網羅的かつ大量の設計書を出力することが可能で、30種類近いドキュメントを生成します。

代表的なものは以下の通りです。

  • 業務要件一覧および業務フロー
  • データベース設計・ER図
  • 画面一覧と各画面ごとの詳細設計書
  • 機能一覧と各機能ごとの詳細設計書
  • そのほかバッチ・通知・帳票一覧および各詳細設計書
  • 様々な粒度でのテストケース一覧

Acsim公式ドキュメントサイトにもサンプルを掲載しています。

特に、詳細設計書は100を超える画面数・機能数であっても、「一枚に要約した全体像」ではなく、1つ1つの単位で詳細な設計情報を、一定品質ですべて出力することが可能です。

2. "次の一手" につながる改善提案を生成

一般的なリバースエンジニアリングはコードから読み取った設計書類の生成で留まることが多いです。
しかし、設計書に加えて「次にどうするか」のヒントまであると、さらに活用しやすくなるでしょう。

ROUTE06では、設計書類に加えて 改善提案書 を合わせて生成します。
この改善提案書には、これまでエンタープライズ企業のDX支援やシステム開発に取り組んできた経験から得た視点が盛り込まれています。

プロジェクトのコード・構成・依存関係・運用前提を解析し、

  • どこが複雑でコストが高いか
  • どこがリスク(保守・セキュリティ・属人性)になっているか
  • どこから切ると勝率が高いか(移行単位の仮説)

といった提案資料にまで落とし込むことで、リバースエンジニアリングをただの「資料作り」で終わらせず、次の一手につながる「意思決定の武器」にすることもできます。

3. 人がレビューし、現場が動ける状態を作る

AIのアウトプットは、そのまま鵜呑みにするものではありません。
重要なのは、 人がちゃんとレビューでき、現場が迷わず動ける状態を作ること です。

ROUTE06では、1つの設計書に対して1つの 根拠レポート を生成します。
根拠レポートには、「どのコードを見て、なぜこの内容にしたのか」というAIの判断根拠が記載されています。

設計書の内容に疑問を持ったら、根拠レポートを見て深掘りできる。
この導線があることで、AIの出力を鵜呑みにせず、納得感を持ってレビューを進められます。

また、リバースエンジニアリングの成果物は、現場がコードを読むときの地図にもなります。
ROUTE06では、コードリーディングの手助けとなる コードリーディングガイド を別途生成しているほか、画面詳細設計書や機能詳細設計書にも「この画面・この機能はコードの何行目に対応しているか」という情報を記載しています。

これにより、設計書を起点にコードへ辿り着ける導線ができ、「どこからどのように処理を追えばいいか分からず、手当たり次第にgrepする」といった状況を軽減し、成果物を受け取ったその日からチームが動き出せる状態を目指しています。


これらの強みは、ROUTE06が様々なエンタープライズ企業に対し、要求整理・要件定義からシステム開発、テスト・納品、その後のグロースまでを一気通貫で支援してきた経験に基づくものです。
システム開発を前に進めるためにどんな設計書が必要か、価値ある提案や改善につなげるためにどんな資料が必要か、その実感があるからこそ、これらの強みをストーリーとしてつなげることができています。

リバースエンジニアリングを "攻め" の起点へ

リバースエンジニアリングは、それ単体だと「現行システムの理解が進む」「設計書が出揃う」というところで止まりがちです。
ROUTE06では、Acsimをはじめとするプロダクトや他サービスとの連携を通じて、リバースエンジニアリングの成果を "攻め" へ転換するための仕組みを提供しています。

"攻め" のモダナイゼーション

一般的にモダナイゼーションというと、老朽化したシステムのリプレイスや技術的負債の解消といった守りのイメージが強いかもしれません。
しかし、私たちが目指す"攻め"のモダナイゼーションは、その先にあります。

  • 新規施策のスピードを上げる
  • 変更容易性を上げて事業の打ち手を増やす
  • データ活用を前提にした構造へ作り替える

これらを通じて、結果として売上や利益を伸ばす。
業務効率化にとどまらず、「事業を伸ばすためのモダナイゼーション」へ到達する こと。
それが私たちの目指す姿です。

Acsimで要件定義につなげる

この "攻め" の実現に寄与するのが AI要件定義支援プラットフォーム「Acsim」 です。

リバースエンジニアリングの成果物には業務フローの生成も含まれており、この業務フローをAcsimに取り込むことで、次のことが可能になります。

  • 業務フローを起点に要求を整理
  • 要求・要件を構造化(抜け漏れの検知、優先順位の議論)
  • 現行(AsIs)と理想(ToBe)の差分を明確化
  • AIによる効果測定や改善提案のサポート
  • To-Be業務フローを踏まえた設計書類の再生成

リバースエンジニアリングで得た「地図」を、Acsimで「意思決定可能な要件」に変換する。
「理解して終わり」ではなく、顧客要求を捉えた提案や費用対効果を見据えた要件定義を実現し、事業を伸ばすモダナイゼーションへつなげていきます。

AIによる要件定義から実装への一気通貫

また、私たちは DevinをはじめとするAIコーディングエージェントを活用し、Acsimで整理した要件定義や設計書がそのままコーディングエージェントへスムーズに流れる仕組みも提供 しています。

「理解→要件→実装」が分断されていることが、これまでの課題の1つでした。
リバースエンジニアリングで現行システムを理解し、Acsimで要件を整え、AIコーディングエージェントで実装する。
この一気通貫の流れを実現することで、AIを活用した開発の可能性をさらに広げていきます。

最後に

生成AIの登場は、私たちが思っていた以上に、要件定義から開発、テストまで、システム開発のすべてのプロセスに革新的な影響をもたらしています。
しかし重要なのは「AIを使っていること」そのものではありません。
AIを使って、意思決定の質と速度を上げ、事業成果につなげること です。

私たちROUTE06は、リバースエンジニアリングを "守り" の復元で終わらせず、Acsimを中心に「理解→要件→実装」をつなぐことで "攻め" のモダナイゼーションを実現する道筋を作っています。

「まずは一案件で試してみたい」「自社のサービスメニューに組み込みたい」「一緒に検証したい」と思っていただけた方、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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AI × 要件定義の革新を、一緒に起こしましょう。

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