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受託開発

AI × プロトタイピングで実現する "攻め" の受託開発営業

AI × プロトタイピングで実現する "攻め" の受託開発営業
#受託開発#営業#プロトタイプ#AI駆動開発#Acsim

はじめに

ヒアリングを重ね、パワーポイントで提案資料を作り込み、2週間後に商談へ。しかし顧客の反応は「イメージが湧かない」「他社と何が違うのか」――。

背景や業界はさまざまですが、受託開発の営業において「提案段階で競合と差別化できない」という悩みは根強く存在してきました。

私たちROUTE06は、この課題に対してAIとプロトタイピングを組み合わせることで、従来よりも短期間で「動くもの」を見せる商談スタイルを実践しています。

本記事では、従来型の提案プロセスが抱える構造的な課題と、私たちがどのようにAIを活用しているのかについて紹介します。
そして、AI要件定義支援プラットフォーム「Acsim」とノーコードツール「v0」を組み合わせた "攻め" の営業アプローチについてお伝えします。

従来型の提案プロセス、その一方で

なぜ提案段階で差別化できないのか

受託開発の営業プロセスは、このような形が多いのではないでしょうか。

初回商談で顧客の課題をヒアリング。
社内に持ち帰って検討し、1〜2週間かけてパワーポイントやExcelで提案資料を作成する。
2回目の商談で資料を説明し、追加のヒアリングを経て修正を重ねる。
このサイクルを2〜3回繰り返して、ようやく提案内容が固まる。

しかし、この進め方には構造的な問題があります。

パワーポイントの構成も、機能一覧のExcelも、どのSIerが作っても似たような内容になる。
「御社の強みは何ですか」と問われたとき、提案資料だけで明確な違いを示すことは難しいのです。
差別化できる要素は「価格」か「実績」に限られ、それ以外の軸で競合に勝つことは容易ではありません。

静的資料では伝わらない、という壁

さらに大きな問題があります。
静的な資料では、複雑な業務の流れを伝えきれないのです。

「この画面からこの画面に遷移して、このデータが登録される」という動きを、箇条書きやフロー図だけで理解してもらうことには限界があります。
顧客の反応は「なるほど」で終わり、記憶にも残りにくい。
結果として、「イメージが湧かない」「他社の提案と比較できない」という状況に陥ります。

要件定義の課題は業界共通の問題

この問題は、私たちだけが感じているものではありません。

ROUTE06が上場SIer・ITベンダー企業の部長職相当325名を対象に実施した「要件定義の課題についてのAI活用実態調査」では、以下のような結果が出ています。

  • 9割以上が自社の要件定義における「属人化」を実感
  • 8割以上が「半数以上のプロジェクト」で手戻り発生を経験
  • 要件定義で最も難しい工程は 「現状把握(As-Is業務)」が50.8% で最多
  • 要件定義の課題1位は「未経験者への難しさ」(54.5%)

特に注目すべきは、要件定義の"最初の一歩"である「現状把握」が最大のボトルネックになっているという点です。

つまり、提案段階での認識合わせは、単なる営業活動ではなく、プロジェクト成功の土台を整える取り組みでもあるのです。

「動くもの」がもたらした変化

顧客の反応がまったく変わる

動くプロトタイプを見せると、顧客の反応がまったく変わります。

「え、もうここまでできているのですか」という驚き。
これがいわゆるWOW体験です。
静的な資料を見ているときの「ふーん、なるほど」という反応とは、明らかに質が異なります。

プロトタイプがあると、顧客は「違う」と言いやすくなります。
パワーポイントで概念を説明しているときは、何が違うのか具体的に指摘しにくい。
しかし、動く画面を触っていると「ここはこうしたい」「実際はこういう流れです」という具体的なフィードバックが自然と出てきます。

間違っていても問題はありません。
むしろ、間違いが早期に発覚することで、認識ズレを提案段階で解消できます。

前述の調査で「8割以上が半数以上のプロジェクトで手戻りを経験」という結果がありましたが、この手戻りの多くは、要件定義段階での認識ズレに起因しています。
提案段階で「動くもの」を見せることで、この手戻りリスクを大幅に減らせる可能性があります。

競合との差別化が明確になる

競合との差別化という点でも、効果は明らかです。

競合がパワーポイントで概念を説明しているとき、こちらは動くプロトタイプを見せている。
どちらが記憶に残り、どちらが社内で上申しやすいかは言うまでもありません。

「どのSIerも同じに見える」という問題を、根本的に解消できます。

Acsim × v0 による商談プロセス

Acsimは「AI要件定義支援プラットフォーム」として提供していますが、実は受注前の提案段階から活用できます。

現場の要求事項を可視化・分析しながら、プロトタイプで形作ることができるため、商談の場で「御社の業務はこうですよね」と仮説を提示し、「動くもの」で認識を合わせる、という使い方が可能です。

私たちが実践しているのは、初回商談から1週間以内に動くプロトタイプを見せるというスタイルです。
このスピード感を実現するために、AIを活用した業務フロー生成とノーコードツールによるプロトタイピングを組み合わせています。

初回商談で資料を受け取る、またはヒアリングする

初回商談の終盤で、現状の業務がわかる資料の提供をお願いします。

  • RFP(提案依頼書)
  • 業務説明資料、既存の業務フロー図
  • 現行システムの画面キャプチャ
  • 困っていることをまとめたメモ

形式は問いません。完璧な資料である必要はなく、断片的な情報でも次のステップに進められます。

資料がない場合は、初回商談でヒアリングを行います。
「今の業務はどういう流れで進んでいますか」「どこに課題を感じていますか」といった質問を通じて、業務の概要を把握します。
ヒアリング内容をそのままAcsimに入力すれば、業務フローを生成できるので、資料がなくても問題ありません。

ある大手小売業のEC改善案件では「商品登録の作業手順書」と「現行システムの概要説明資料」を、外資系メーカーの店舗DX案件では2ページ程度の簡易RFPをいただいています。

Acsimで業務フローを自動生成する

受領した資料をAcsim(AI要件定義支援プラットフォーム)に投入します。
Acsimは、テキストや資料から業務フローを自動生成するツールです。

  • 現状の業務(As-Is)を可視化
  • 課題がどこにあるかを明確化
  • 「この課題を解決するとしたら」という仮説ベースで、あるべき姿(To-Be)も生成

前述の調査で「現状把握(As-Is業務)」が最も難しい工程として挙げられていましたが、Acsimはまさにこの"最初の一歩"を支援するツールです。

店舗が7拠点あり、すべて紙運用という案件では、「注文書を紙に記入→基幹システムに手入力」という現状から、「タブレットで入力→自動連携」というTo-Beを仮説として作成しました。

資料の投入から業務フロー生成まで、所要時間は30分から1時間程度です。

v0でプロトタイプを作成する

業務フローから主要な画面を特定し、v0(AIノーコードツール)でプロトタイプを自動生成します。
v0は、テキストでの指示から画面UIを自動生成するツールです。

ここで重要なのは、見た目だけでなく実際に操作できるレベルまで作ることです。

  • フォームに入力できる
  • ボタンをクリックすると画面遷移する
  • データが登録・表示される

バックエンド連携も可能なので、動的な動作も実現できます。
主要画面2〜3個で、所要時間は半日から1日程度です。

例えば、ECサイトの運営管理画面であれば、このようなプロトタイプを短時間で作成できます。

▶ サンプル:ECサイト運営管理ダッシュボード

ECサイト運営管理ダッシュボードのサンプル画面

受注管理、在庫アラート、売上サマリーなど、実際に操作できるレベルで画面を構築しています。

2回目商談で仮説を提示する

2回目の商談は、業務フローを画面共有しながら「こういう流れで合っていますか」と確認することから始めます。
そして、プロトタイプをデモします。

「こんな画面で解決できそうですよね」と見せながら、実際に操作してもらいます。

顧客の反応は大きく3つのパターンに分かれます。

  • 仮説が合っている場合:「そうそう、これがほしかった」→ 予算・体制・スケジュールの議論に進む
  • 仮説が違っている場合:「実際はこうなのです」→ 詳細を教えてもらえる
  • 想定外の発見がある場合:「これができるなら、こちらも」→ スコープ拡大の機会

どちらに転んでも、商談は確実に前に進みます。

なぜ「2回目」が重要なのか

ここで強調しておきたいのは、「2回目の商談でプロトタイプを見せる」こと自体が、競合との差別化になるという点です。

多くの競合は、2回目の商談でもまだパワーポイントの資料を説明しています。
「御社の課題はこうで、解決策はこうで、スケジュールはこうで…」という概念の説明です。

一方、こちらは動くプロトタイプを見せている。
顧客は「え、もう動くものがあるの?」と驚き、「この会社はスピード感が違う」という印象を持ちます。

提案内容が同じでも、「動くもの」を見せられるかどうかで、顧客の記憶への残り方がまったく違います。
社内で「どのベンダーが良かった?」と聞かれたとき、動くプロトタイプを見せてくれた会社は確実に記憶に残ります。


提案を "攻め" の起点へ

提案段階でプロトタイプを作ることは、それ単体だと「顧客の反応が良くなる」「差別化できる」というところで止まりがちです。
私たちは、Acsimを中心に、この成果を "攻め" へ転換するための仕組みを提供しています。

提案段階の成果物が開発インプットになる

提案段階で作成した業務フローや要件整理は、そのまま開発のインプットになります。
「提案資料」と「要件定義書」が二重作業にならず、プロジェクト全体の効率が上がります。

AIコーディングエージェントとの連携

さらに一歩進んで、Acsimで作成した成果物をもとに、実際にシステムを構築・実装するところまで私たちは取り組んでいます。

具体的には、Claude Code(Anthropic社のAIコーディングエージェント)を活用しています。
Acsimで生成した業務フローや設計書をClaude Codeに渡すと、そこからコードを自動生成し、実際に動くシステムを構築できます。

私たちは、この一連の流れを「スキル(Claude Code Skills)」として整備しています。
スキルとは、特定のタスクを実行するための手順やプロンプトをパッケージ化したものです。

  • Acsimの設計書を読み込む
  • 必要なコードを生成する
  • ローカル環境で動作確認する

この流れをスキルとして定義しておくことで、非エンジニアのセールス担当者でも、自分の端末でシステムを構築して顧客に見せられる状態になっています。

「理解→要件→実装」が分断されていることが、これまでの課題の1つでした。
提案段階で業務を理解し、Acsimで要件を整え、Claude Codeで実装する。
この一気通貫の流れを実現することで、「提案段階で動くシステムを見せる」という、これまでにない営業スタイルが可能になりつつあります。

DevinをはじめとするAIコーディングエージェントとの連携も進めており、Acsimで整理した要件定義や設計書がそのまま実装フェーズへスムーズに流れる仕組みを提供しています。

最後に

生成AIの登場は、私たちが思っていた以上に、提案から開発まで、システム開発のすべてのプロセスに影響をもたらしています。
しかし重要なのは「AIを使っていること」そのものではありません。
AIを使って、顧客との認識合わせを加速し、受注確度を高め、プロジェクト成功につなげることです。

前述の調査では、「4社に1社が要件定義に特化したAIツールを本運用」という結果も出ています。
AIを活用した要件定義・提案プロセスは、もはや一部の先進企業だけのものではなくなりつつあります。

私たちROUTE06は、提案段階を単なる営業活動で終わらせず、Acsimを中心に「理解→要件→実装」をつなぐことで、"攻め" の受託開発営業を実現する道筋を作っています。

「自社の営業プロセスに取り入れたい」「一緒に検証したい」と思っていただけた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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